二極化する日本の未来

あくまでも僕個人の見解ですが、日本はごく一部の富裕層と、大多数の貧困層の二極化が進んでいく(あるいはすでになっている)可能性が高いです。今まで中間層と言われていた層が、次第に苦しくなっていくと言ったほうが良いかもしれません。

景気が良くなったと言われますが、実生活が豊かになったと思いますか。プレミアムフライデーに長蛇の列を作る人々をニュースで見る限り、生活が豊かになったとは思えません。漫画村を中心としたフリーライドに人が群がるのも貧困のサインです。

必要とされる経済的・時間的・労力的コスト(費用)を負担せずに便益やサービスを得る行為。日本語で「ただ乗り」を意味する。直接的には電車などの無賃乗車をさすが、そのほかにも幅広い意味に用いられる。ブランドの信用を利用して偽装する(たとえば外国産牛を松阪牛などと偽る)、先駆者の意匠をまねる、税金を負担せずに便益のみを得る、寄付で成り立っているサービスを寄付をせずに利用することなどが、フリーライドの典型例である。

経済学用語としては、悪意をもった行為をさすわけではなく、費用を負担する者と便益を受ける者が一致しない場合に、便益を受ける者をフリーライダーfree riderとよぶ。

フリーライドとは(日本大百科全書より引用)

二極化、格差の種類は大きく分けて5つあります。それは「所得格差」、「地域格差」、「教育格差」、「世代間格差」、そして「情報格差」です。

所得格差 ~年収300万円以下が40%、1000万円超が4.2%

全人口に占める年収300万円以下の人口割合の推移
男女計(%) 男性(%) 女性(%)
平成24年 41.0 24.3 65.9
平成25年 40.9 24.1 65.5
平成26年 40.9 24.0 65.0
平成27年 39.9 23.1 64.0
平成28年 39.6 23.2 63.1
全人口に占める年収1000万円以上の人口割合の推移
男女計(%) 男性(%) 女性(%)
平成24年 3.8 5.8 0.8
平成25年 3.9 6.2 0.9
平成26年 4.1 6.6 0.7
平成27年 4.3 6.8 0.8
平成28年 4.2 6.6 0.9

平成28年 民間給与実態統計調査結果/国税庁

国税庁の公表している民間給与実態統計調査結果によると、300万円以下の層が増えている一方で、年収1,000万円以上の高額所得者層も微増しており、収入の格差が表から見てとれます。

また、男女間での収入格差が大きいことも特徴的です。

平成28年の男性平均年収は521万円に対し、女性平均は280万円となっています。年収300万円以下の割合も男性が23.2%に対し女性が63.1%、年収1000万円以上の割合も男性6.6%に対し女性が0.9%と、大きな収入格差も見られます。

まず、正規雇用・非正規雇用の差があります。続いて男女差です。

契約社員や派遣社員など、非正規雇用での勤務の場合、正規雇用に比べて給与が低くなります。女性の場合、出産による休職や退職、育児による時短勤務など、どうしても給与が低くなってしまう傾向もあります。現在はかなり減ったと思いますが(期待していますが)、昇進のスピードが性別によって違ってくる時代もありました。

具体的な数値であらわすと、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は、正規雇用の平均額が 487 万円、非正規雇用が 172 万円となっています。男女別に見ると、正規雇用は男性 540 万円、女性 373 万円、非正規雇用は男性 228 万円、女性 148 万円となっているます。

他にも業種や勤続年数などの要素もありますが、このように所得自体の格差があることを認識しておく必要があります。

地域格差 ~人口減、高齢化、給与格差

首都圏と地方圏の格差も拡大しています。

地方の中でも都市部と農村部の格差が見られます。2006年に北海道夕張市が財政再建団体(事実上の自治体倒産)に転落しましたが、財政状況が危険な地方自治体は夕張市だけに限りません。

進学や就職に優位である、選択肢が多いという要因で若者が都市部に流出し、地域の活力が失われ、結果として地方の企業や商業施設が衰退するという現象もよく聞く話です。若年層が流出することにより、住民の高齢者比率も高まり、衰退・消滅する集落も増加しています。

平成30年度地域別最低賃金では、最も高い時給が東京都で985円、次いで神奈川県の983円、大阪府の936円となっています。反対に最も低いのは、鹿児島県の761円になります。東京都との差は224円となり、商業圏である福岡県を除いた九州地方の各県との差が明確に分かれています。

平成30年度 地域別最低賃金の全国一覧

さらに、地域によっては新しいことにチャレンジしたい若年層と、変化を好まない高齢者層との軋轢も見られます。

金銭的余裕がある、人間関係にしがらみが無いといった、比較的自由に居住地を選択できる人は、自分の要望に近いエリアに移動することが可能です。日本国内に限らず、海外に移住する人も増加しています(海外在留邦人数調査統計/外務省)。一方で地域に留まる人も存在します。風通しの良い地域であれば、自分の好きなことにチャレンジすることができるでしょう。

しかしながら、すべての地域がそうであるとは限りません。人間関係や、慣例を大切にすることが重視される地域では、活動が制限され、将来の可能性が狭められる場合もあります。

教育格差 ~子どもの貧困と学歴による生涯賃金格差

日本の子どもの貧困率は先進国の中でも最悪のレベルに位置づいています。

南北アメリカ、ヨーロッパ及びアジア太平洋地域から、多くの先進国に加えてメキシコやチリ、トルコなどの新興国を含めた35カ国が加盟しているOECD(経済協力開発機構)の中でも最低水準です。

子どもの貧困率は2012年から多少は回復したものの、7人に1人が貧困に直面しているのです。

子どもの貧困率とは、相対的貧困の状態にある18歳未満の子どもの割合を指します。国民を可処分所得の順に並べ、その真ん中の人の半分以下しか所得がない状態を相対的貧困と呼び、親子2人世帯の場合は月額およそ14万円以下(公的給付含む)の所得しかないことになります。

日本財団ホームページ

貧困状態に置かれている子どもは、経済的な制約によって、医療や栄養、学習機会や進学などの面で極めて不利な状況に置かれています。

日本では学歴や正規雇用・非正規雇用といった就業形態による所得格差が存在するため、幼少時の教育格差によって生涯所得に大きな差が生まれる可能性も高まります。結果として、貧困状態で育った子どもは、大人になっても貧困から抜け出せず、さらにその子どもが貧困状態になるという負のスパイラルから抜けられない傾向があります。

ユースフル労働統計 2017 労働統計加工指標集

平成29年賃金構造基本統計調査/厚生労働省

世代間格差

世代間格差とは、一生の間に政府や自治体から受給する年金、社会福祉をはじめとするサービスと、税や借金などによる負担の差が世代によって異なる事から生じる格差で、極端な少子高齢化社会に突入している日本において懸念される問題の一つです。

法政大学経済学部の小黒一正教授(公共経済学)が、60歳以上の高齢者世代と将来世代(生まれていない人を含む0〜19歳)の受益/負担の世代間格差は1億2000万円だと発表しました。

算出方法は、各世代一人当たりが年金や医療・介護など公共サービスとして政府から得る「受益」と、税金や保険料など政府に支払う「負担」との差額で計算します。消費税の増税時期によって多少結果は変わりますが、おおよそ60歳以上の世代は負担額よりも4000万円多い受益を得ることができ、将来世代は支払い負担額が受益額よりも8000万円多くなります。差分が1億2000万円です。

大卒会社員の生涯賃金平均が約2億2000万円と言われている時代で、1億2000万円という格差は衝撃的です。将来世代はただ生まれた時期が遅かったというだけで、60歳以上の世代と比較して1億円以上のハンデを負うわけです。

もちろん、このデータは試算ですので必ずしも正確な数字ではありませんが、現在の少子高齢化の状況を考えると、あながち的はずれなデータではないでしょう。

情報格差

最後の格差は情報格差です。

ここで言う情報格差とは、インターネット等の情報通信技術(ICT)を利用できる者と利用できない者との間にもたらされる格差のことを指します。

新しい情報技術を子どもの頃から利用している若年層や高収入者が情報技術を活用してさらなる知識や収入を手にしていく一方で、新しい情報技術の受け入れが難しい高齢者や低収入のためにパソコンやスマートフォンなどの機器を入手できない層との社会的格差が拡大している現状があります。情報集力の差が所得にも影響を及ぼしているわけです。

また、年齢や収入のみならず、居住エリアによっても利用率に差が生まれています。都心部のインターネット利用率は高いですが、地方では8割を切る利用率になっています。地域格差と情報格差も密接に関係していることが見て取れます。

用途についてはメールの送受信、SNSや動画の閲覧、無料通話・チャットの利用、交通情報や天気予報などの日常的なサービスの閲覧などの利用比率が高く、情報収集などの数値はそれほど高くなっていません。

スマートフォンというどこにでも持ち運べる端末を持っているにもかかわらず、友人と連絡をとっていたり、SNSやYouTubeなどの動画を見ていたりする人が多いことが読み取れます。

インターネットを活用すれば、誰もがわずかな費用で情報発信することができます。さまざまな知識を得ることも可能です。でもやらないのです。知識を得ない、行動しない人がどうなるかというと、情報弱者となり所得や雇用機会などに大きな影響を及ぼします。

ICTサービスの利用動向(237~239ページ)

負のスパイラルから脱却するために

これまで5つの格差について述べてきましたが、格差がそれぞれ絡まり合い、強固になることによって上位層と下位層の差は更に広がります。富めるものはますます富み、貧しいものはますます貧しくなる二極化が進んでいくわけです。

所得格差や地域格差が教育の格差を生み、親の貧困がそのまま子どもに引き継がれ、貧困層から抜け出せない状況になってしまいます。

この負のスパイラルから脱却するためには知識を付ける必要があります。

そしてその知識を行動に変えなければいけません。選択は自分が認識できる範囲でしかできません。自分が経験している、あるいは他者の経験(歴史)を学ぶことにより、選択肢を広げることができます。

選択肢の幅が広がれば、所得を伸ばす方法も見えてきます。所得が増えることにより、負のスパイラルから脱却し、人生の自由度が上がるわけです。

知識を得るにはインターネットは確かに効率的ですが、必要不可欠ではありません。図書館で本を読み込んで必要な知識を得るのでも良いでしょう。師匠を見つけて、弟子入りするのも良いでしょう。目的を持って、行動に移すことが重要なのです。

一昔前は資金を調達するためには銀行からの融資が主たる方法でした。銀行融資は担保や返済能力の有無によって資金調達の可否が決まります。しかしながら現在は資金調達の方法も多様化しています。クラウドファンディングを使えば担保を必要とせず、アイディアの素晴らしさや、社会貢献度、共感の大きさ、熱量、そしてメッセージの伝え方によって調達金額は変わってきます。